俺と100本の映画 ☆ おすすめ映画ランキング

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 200802 俺と100本の映画 ☆ おすすめ映画ランキング  管理人

Author:JUN
俺と100本の映画 ☆
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エリザベス:ゴールデン・エイジ


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エリザベス:ゴールデン・エイジ
ELIZABETH: THE GOLDEN AGE
上映時間 114分
製作国 イギリス/フランス
公開情報 東宝東和
初公開年月 2008/02/16
ジャンル ドラマ/歴史劇
HP
監督: シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェット
    クライヴ・オーウェン
    ジェフリー・ラッシュ





総合:★★★★
内容:★★★☆ 俳優:★★★★☆ 映像:★★★☆
感想:切ない・ロマン・興奮する


女王として、女性として、ケイト・ブランシェット演じるエリザベス1世に圧巻された深みある作品。

予告編やCMでは、激しく叫び民衆を率いる強い女王としての印象が強い。
もちろんそういった一面も見せ場の1つではある。



しかし、この映画の見所は、そういった強い女王の裏側にある女王の立場や責任と恋愛に苦悩する1人の女性としてのエリザベスが描かれている点にある。

内外からのしかかる重圧に立ち向かう姿は、雄々しくもあり、時には泣き崩れ痛々しくもあり、
エリザベスの様々な一面をみることができる。



そういった政治の裏側で、女王という肩書きをもつがために、自由に恋愛できないもどかしさ、
相手への不信の念など、女性としての苦しみが感じられました。

侍女のベスをまるで自分に置き換え恋愛を想像するしかない姿がとても切ない。
そして、「死んでもいい…」とつぶやくエリザベスの姿は、思わず胸が張り裂けそうでした。



そのエリザベスは、言うまでもなくケイト・ブランシェットなしには語れません。
彼女の存在感は圧巻を超えて、神々しいほど!

豪華な衣装も見所の1つだけれど、その衣装に負けないほどの風格。






そして、繊細さや嫉妬心など感情的な一面をもった女性としての魅力と悩める姿。
この相反する強さと弱さ2つを兼ね備えて表現できるところが素晴らしいところであり、エリザベスという人間の深みを与えてくれる。

またケイト・ブランシェットの存在感に隠れているものの、個人的にはスコットランド女王メアリー役のサマンサ・モートンも負けないくらいの風格を感じました。

映画全体を通して、「クィーン」でも描かれていた英国女王としての国民への責任や立場、
私的な想いは捨て、国家の母として歩んでいく女王の強さが画面から伝わってきました。

エリザベスを主軸に、敵対する女性、投影する女性など、エリザベスの心情を盛り立てる女性達の役割とそれを演じる女優陣がとても活かされた作品でした。




ライラの冒険 黄金の羅針盤


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ライラの冒険 黄金の羅針盤
THE GOLDEN COMPASS
上映時間 112分
製作国 アメリカ
公開情報 ギャガ=松竹
初公開年月 2008/03/01
ジャンル ファンタジー/アドベンチャー   
HP
監督:クリス・ワイツ
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ
    ニコール・キッドマン
    ダニエル・クレイグ



総合:★★☆
内容:★★ 俳優:★★☆ 映像:★★☆
感想:ロマン・楽しい・独創的


3部作のまさしく導入部分的な作品。

ストーリーは、ファンタジー作品の中でも、RPG的な要素が強く、FFのシドのようなじいさん操る飛空挺に気球、船での旅、出会う仲間達など、ライラの視点で冒険が楽しめる。
世界観や対象年齢は、個人的には「LOTR」と「ナルニア」の中間的な作品という印象。

人の魂がダイモンと呼ばれる動物の形に宿り、常に共に暮らしているという設定、そしてそこに隠された秘密はオリジナリティがあって引き込まれる。
似たようなところでは、日本では「ポケモン」や「デジモン」を思い出すけれど、単に共に闘う存在だけではなく、魂がつながっている設定が、両者の絆をより深めてくれる。



そのダイモンの動物達、そして鎧グマのCG映像は、「ナルニア」のライオン同様、動物の毛並までリアルで、CGであることを忘れてしまうほど。



俳優陣といえば、ニコール・キッドマンは、かわらず美しく、ボディラインを強調したドレスとともにさらに鋭さをもった悪女としての魅惑を放っていました。

けれど、それに負けていないのが、ライラ演じるダコタ・ブルー・リチャーズ。
12歳の子役だけれども、かわいい女の子というよりは、顔立ちはすでにできあがった聡明で綺麗な女性という印象。
初主演とは思えない芯のある堂々とした存在感で、これからが楽しみな女優さんです。





ダニエル・クレイグは出番は少ないものの、役柄は違っても、ワイルドさと渋さは健在でした。

そして、脇役や声の出演では、イアン・マッケランやクリストファー・リーら「LOTR」の重鎮が出演しているところも、ファンタジーを盛り上げてくれる。

世界の壮大さを予感させる前半のくだりや世界の秘密、美しい街並みとともに、冒険がはじまるワクワク感は、とても楽しめました。

でも、後半に行くにしたがって、足早に次々と場面が変わり、映像も暗くシンプルになっていくので、「LOTR」ほどの壮大さはなく、全体的に世界観が小さくなってしまった印象。
旅の過程をもうちょっとじっくりと、そしてライラと羅針盤の重要性をもう少しインパクトをもって描いてほしかった。

本作品は、「黄金の羅針盤」、「神秘の短剣」、「琥珀の望遠鏡」の3部作。
物語の世界観やキャラクタを描く導入部分としては充分だけれど、ラストは早く続きがみたいと思わせる終わり方で、何か物足りなさを感じてしまう。

本作で垣間見られた物語の本質には、「ナルニア」同様に、原罪、失楽園、救世主など聖書の要素が感じられた。
今後の作品で描かれる私達の世界も絡めて、どのようにこの本質部分が関わってくるのか気になるところ。

ダコタ・ブルー・リチャーズの成長とともに、今後の作品の成長が楽しみな映画です。









チーム・バチスタの栄光


teambachista.jpg


チーム・バチスタの栄光 
上映時間 120分     
製作国 日本
公開情報 東宝
初公開年月 2008/02/09
ジャンル ミステリー/ドラマ
HP
監督:中村義洋
出演:竹内結子
    阿部寛
    吉川晃司




総合:★★☆
内容:★★☆
俳優:★★★
映像:★★☆
感想:楽しい・笑える・知的


お気軽なミステリー。

原作は読んでいないけれど、バチスタ手術やチーム構成は、「医龍」を観ていたので、個人的にはすんなり入っていけました。
もちろん映画の中でも解説してくれるのでわかりやすい。

ただどういう部分が難しい手術なのか?この7人の何がすごいのか?という点が触れられてなかったのが残念。



心臓の変性部位を切ったり縫ったりする手術シーンは、テレビ以上のものがあって見応えがありました。


竹内結子演じる田口のほんわかしたキャラとは裏腹に、するどく特徴を捉えて人を動物に例える調査内容がおもしろい。



そして中盤から阿部寛演じる白鳥の登場で、映画は盛りあがりをみせる。
阿部寛は、「トリック」や「結婚できない男」みたいな人の揚げ足をとってつつくような嫌みな
変人役をやらせたら、この上なく光るよねぇ。

この2人の謎を解き進める絡みは、思わず笑ってしまうシーンばかり。
中盤は、笑いと謎解きミステリーのバランスがよくてとても楽しめました。






しかし、事件の真相へのラストの展開は、急であっさり。
最後まで主役2人のおかしなやりとりの謎解きの様子をもっと観てみたかったです。

動物に例えられた容疑者7人は個性的で、天才外科医役の吉川晃司をはじめ役者の配役や演技もよかったけれど、今ひとつ1人1人の出番が少なかったので、犯人がわかってもどうもインパクトが薄い。






その犯人のコメントも割りとありきたりで、映画の見所が中盤にピークになってしまった印象。
ソフトボールや患者のシーンなどあまりミステリーに関係のないコミカルなシーンが長かったので、その分を容疑者の個性にむけてほしかったところ。


全体的に軽い感じのノリと笑いで、今までにない専門分野のミステリーが楽しめる。
ただ「このミス」大賞作品なだけに、もうちょっとミステリー中心に描いて欲しかったです。






L change the WorLd


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L change the WorLd
上映時間 128分
製作国 日本
公開情報 ワーナー
初公開年月 2008/02/09
ジャンル サスペンス/アクション/ミステリー
HP

監督:中田秀夫
出演:松山ケンイチ
    工藤夕貴
    福田麻由子




総合:★☆
内容:☆ 俳優:★★☆ 映像:★★
感想:不思議・心温まる・怖い


松山ケンイチが真になりきるLは、素晴らしい。

デスノートでも時折みせたLの人間的な面が主流に描かれるので、キャラとのギャップ、意外なシーンを観られて楽しい。
でも、それだけの映画。



静のLと対照的に激しく描きたかったのかもしれないけど、それ以外の役者陣はどうもハイテンション過ぎて叫んでばかりで安っぽい。
息抜きに南原清隆が笑いを提供しようとするも、空回りで演技臭すぎでかなり浮いてました。






Lが守る二階堂真希役の福田麻由子が、松山ケンイチに負けないくらいよかったのが救い。

ストーリーは、初めから終わりまで簡単に展開が予想でき、あってないようなものでとても退屈。
「デスノート」にあった緻密な頭脳戦とは、天と地との差。
原作から離れると、やっぱり一気にレベルが落ちてしまいました。
中途半端に二アの名前は出てきたけれど。

前作「デスノート」の裏側もちょこっっと描かれているけれど、ワタリの死やLが自らの名前をデスノートに書く際も案外あっさり通り過ぎ、なんだかこの映画の前提条件を消化してるだけのよう。
Lのキャラかもしれないけれど、その時のLの心が見えてこない。



身近な人の死、迫り来る自分の死を感じて、生に対して考えるテーマは、面白いと思う。
でも中田監督は、ホラー映画が得意分野だけあって、ウィルスの恐怖の描き方にはこだわり
があるように感じたけれど、Lの内面や人間性の描き方は今ひとつ。

「デスノート」前後編ともにすごく楽しめただけに、余計なもの作ってしまったなぁという印象。
天才は、対峙する天才がいてこそ輝けるのかもしれません。

松山ケンイチのLには、もったいない作品でした。





潜水服は蝶の夢を見る


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潜水服は蝶の夢を見る
LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY

上映時間 112分
製作国 フランス/アメリカ
公開情報 アスミック・エース
初公開年月 2008/02/09
ジャンル ドラマ/伝記
HP
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演:マチュー・アマルリック
    エマニュエル・セニエ




総合:★★★★
内容:★★★☆ 俳優:★★★★ 映像:★★★★☆
感想:独創的・衝撃的・元気になる


フワフワと前向きに生きる力が湧いてくる映画。

まず冒頭から前半までにわたる映像の描かれ方に驚き。
身体全体の自由を奪われた「ロックト・イン・シンドローム」の主人公ジャン=ドミニク・ボビー。
彼から見た視点というのが、まるで彼の頭の中にいるかのように、主人公の一番の理解者になったつもりで、思わず一緒になって瞬きをしてしまう。



潜水服や蝶に例えるその言葉の選び方やイマジネーションのセンスは、さすがELLEの編集長を思わせてくれる。
主人公の頭の中で語られるフランス語もとても心地よくて、映像とあいまって、フワフワとした夢の中で飛んでいるような気分にさせてくれる。

また映像だけでなく、主人公を演じるマチュー・アマルリックの眼だけの演技も凄いの一言。
試しに自分でもやってみたけれど、眼だけで演技するのはかなりハード。



個人的には、涙を流すようなぐっとくる感動はこなかったのだけれど、でも、こういう1人の人間性や心情が深く色濃く表現されている作品は好き。

難病をテーマにした作品は、泣かすための典型的な感動作であったり、比較的重い作品になりがちなところ。
でもこの作品では、もちろん絶望感も描かれてはいるけれど、不思議とそれを感じさせない穏やかな良さがあり、お涙ものの感動とはまた違った、人間の生きる力強さに感銘を受ける。

「僕はもう自分を憐れむのをやめた」という言葉がとても印象的。

こんな状況にもかかわらず、思わず声にだして笑ってしまうユーモラスなシーンが多く、主人公の前向きな姿勢に素晴らしさを感じました。

そして、主人公の視点からの言葉と映像を通して、ありのままの感情や欲望や想像が包み隠さず素直に表現されているところが、生きる人間としてとてもリアル。






息子として父親との関係、父親としての子供達への想いを主軸に、男として愛人や妻や女性、そして友人など、彼の人生を彼とともに巡っているような気にさせてくれる。



ゆっくり流れる走馬燈のように人生を見つめ直し、想像力と左眼の瞬きで言葉を紡ぐジャン=ドミニク・ボビーという1人の人間の内面世界がストレートに伝わってくる映画でした。

彼が瞬きだけで綴った原作が読んでみたくなりました。




母べえ


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母べえ
上映時間 132分    
製作国 日本     
公開情報 松竹       
初公開年月 2008/01/26
ジャンル ドラマ
HP
監督:山田洋次
出演:吉永小百合
    浅野忠信
    檀れい




総合:★★★
内容:★★★☆ 俳優:★★★ 映像:★★☆
感想:切ない・悲しい・泣ける


母べえの「女性の強さ」を感じる作品。
しかし、それは現代の社会進出した「女性の強さ」とはまた違った意味での強さ。
夫を信じ想い続け支えてひたむきに生きる、そして娘達を養い家庭を守る妻や母としての女性の品格。




道が逸れ始めた日本において、父べえをはじめ、世の中に流されないしっかりとした
それぞれの価値観を持って強く生きる人たち。
ただ純粋で素直であるがために、世の中のつまはじきものにされてしまう。
そうさせてしまう混沌とした時代だったのが嫌になるほど伝わってきました。



吉永小百合は、凛とした強さともろい繊細さをあわせもち、常に気を張って無理してがんばっている母べえの姿がとても絵になっていました。
ただこの時代に感情を出すのは美徳とされなかったかもしれないけれど、それでも押し殺せないほどの激しい感情の一面もみせてほしかったところ。

叔母さん役の檀れいも吉永小百合に負けない気品と女性の美しさが魅力的。

浅野忠信演じる山ちゃんからは、一生懸命で誠実な姿や優しさ、時折みせる男としての固い決意というものが奥底に感じられました。
また笑福亭鶴瓶演じる奈良のおっちゃんは、良くも悪くも歯に衣着せぬとても人間的な存在で観ているこちらもほっと安心させられる。
そして、「家の中に男の人がいるっていいわね」という母べえの言葉とおり、欠けた父べえの存在を補うように、家族を支えあっていく姿が印象的でした。




それでも、やはり満たされない母べえの父べえへの想い、そして戦争は容赦なく大切なものを奪い去ってしまう非情さが後半に痛く突き刺さりました。

そして、ラストにかけては、涙を誘われました。
ただ山ちゃんのラストシーンは、映像化しなくてもよかったように思いました。
話を聞いた母べえの姿を映し続けるだけのほうが、観ている側により深い悲しみを伝えられたのでは?

また監督の反戦の想い、母べえの父べえを支え想い続ける気持ち、山ちゃんの無償の愛、
いろんなものが詰め込んであるだけに、ややピントがぶれて均一化されてしまった印象。

「Always 三丁目の夕日」のような古き良き時代を懐かしむのもいいけれど、戦前戦中あってのその後の日本。
思い出すのはつらい過去なのかもしれないけれど、つい何十年か前にこういう世の中であったということを、その時代を生きた人でないと、知らないことや知っているけれど忘れてしまうことは多い。

そういう意味では、別世界のような戦争映画ではなく、戦争に翻弄されてい家族を描くことによって、またその後の現代とつながっていることで、より身近なものとして思い出させてくれました。


テラビシアにかける橋


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テラビシアにかける橋
BRIDGE TO TERABITHIA
上映時間 95分
製作国 アメリカ
公開情報 東北新社      
初公開年月 2008/01/26
ジャンル ファンタジー/アドベンチャー/青春
HP
監督:ガボア・クスポ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン
    アンナソフィア・ロブ
    ズーイー・デシャネル





総合:★★★★☆
内容:★★★★☆ 俳優:★★★★☆ 映像:★★★★
感想:泣ける・心温まる・切ない


号泣してしまいました…。
これだけ泣いてしまったのは、未だに夢見がちで精神年齢が子供なのかも?と逆に心配してしまうほどに。

内気で絵を描いて過ごす主人公の少年は、小さな頃の自分のよう。
映画を観ているうちに、感情移入を超えて、いつのまにか主人公自身になりきっていたのかもしれません。

主人公を演じるジョシュ・ハッチャーソンは、控えめながらも中に押し込めた感情や責任感、そして友達を想う気持ちのひたむきな姿が最後にかけて痛烈に胸を打ちました。



小さな頃なら誰しも多かれ少なかれ作ったりする秘密基地、そして自由奔放な近所の女の子の友達。
何もかも自分が少年の頃の憧れといってもいいかもしれない。

その女の子を演じるのは、「チャーリーとチョコレート工場」でブルーベリーになってしまったバイオレット役のアナソフィア・ロブ。
相変わらず男勝りで気が強そうな役だけど嫌みさはなく、活発で芯が強く、そして自分の世界と表現力とを持ったとても魅力的な役柄を爽やかに演じていました。



きっとこんな子いたら、好きになってただろうなぁ。
でも映画では、恋心とはまた違ったかけがえのない友達という微妙な年齢の設定が素敵。
それ以外にもこの年頃の繊細で微妙な心模様が感じられて、子供の頃の想いを思い出させてくれる。

それに加えて、主人公の妹役のベイリー・マディソンがとてもおしゃまでかわいくて、
いろいろな場面で和ませてくれました。

映画の中では、夢や空想より現実を見ろという親たち。
でも単なる現実逃避のためではなく、友達と空想を共有することによって、現実世界でも成長していく主人公達の姿がどんなファンタジーの勇者よりもたくましい。






空想の世界は、一緒に現実の問題や困難を整理し消化していくために子供にとって重要な場所であり、それを共有し共感できる友達というものはかけがえのないものということがこの映画を通して伝わってきました。

その空想の世界もところどころ「ナルニア」のようなファンタジー要素の映像が出てくるけれど、ファンタジーどっぷりというわけではなく、観ている人の想像力をかき立てるバランスのよさ。
「パンズ・ラビリンス」といい、現実とファンタジーの間くらいが一番いいのかも。



欲を言えば、最後にもう一度…。

ストーリー自体はいたってシンプルで時間も短いけれど、その分少年達の繊細な感情がそのまま描かれていました。

忙しい毎日で忘れかけていた人も少年少女だった頃の気持ちを蘇らせてくれる、そして心と瞳に潤いを与えてくれるお薦めの映画です。





再会の街で

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再会の街で ★★★★
REIGN OVER ME 
上映時間 124分       監督:マイク・バインダー
製作国 アメリカ       出演:アダム・サンドラー
公開情報 ソニー・ピクチャーズ ドン・チードル
初公開年月 2007/12/22     リヴ・タイラー
ジャンル ドラマ          ジェイダ・ピンケット=スミス
http://www.sonypictures.jp/movies/reignoverme/

内容:★★★★
俳優:★★★★☆
映像:★★★☆
感想:泣ける・心温まる・切ない



主人公の心の奥の深い悲しみが突き刺さる作品。

コメディ色が強いアダム・サンドラーだけど、チャーリーの演技は身に迫るものがありました。

心を閉じた状態の演技、そして時には事件以前の人柄の良さと面白さを垣間見させる幅の広さを感じました。

チャーリーの大学時代のルームメイトのアランを演じるドン・チードル。
自分自身もテンパりながらも、人のために尽くす姿は、彼にはよく似合う。
でも一方的ではなく、アラン自身もチャーリーと関わっていくことで自分の行動を見直し成長していくところが人とのつながりの大切さを物語ってくれる。

判事として登場するドナルド・サザーランドが深さのある人間味が後半をしめてくれる。

チャーリーの家族とのシーンが回想シーンとして安易に描かれることがないことが、逆に観ている側にチャーリーの頭の中に封印した想いのつらさ、計り知れない悲しみの深さを感じさせてくれました。

チャーリーの固く閉ざした心が溶け出し、時には破壊的にむき出しにされた時に爆発した感情のシーンには、思わず涙が流れました。

映画として珍しいのが頻繁に流れるゲームソフト「ワンダと巨像」の映像。
巨像に立ち向かうワンダの姿は、チャーリーの心の中の葛藤、乗り越えていく試練のよう。
そしてゲームにはエンディングがあるように、いつか乗り越えられる日が来ること。
部屋に閉じこもり1人立ち向かっていた時とは違うことも。
そんなことを連想させてくれる。

心を閉ざしたチャーリーが聞く様々な楽曲こそ、彼の心情を表現してくれているかのよう。
彼が叫ぶ、そしてBGMとして流れる「Love, Reign o'er Me」の曲が頭から離れません。




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アメリカン・ギャングスター

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アメリカン・ギャングスター ★★★☆
AMERICAN GANGSTER
上映時間 157分    監督:リドリー・スコット
製作国 アメリカ    出演:デンゼル・ワシントン
公開情報 東宝東和     ラッセル・クロウ
初公開年月 2008/02/01  キウェテル・イジョフォー
ジャンル サスペンス/犯罪/ドラマ
http://www.americangangster.net/

内容:★★★
俳優:★★★★
映像:★★★☆
感想:興奮する・衝撃的・憧れる



凄みと迫力が重低音のようにズシズシと画面から響き伝わってくる作品。

悪の道を歩みながらも家族を大切にするフランク、正義感を貫きながらも家庭生活が破滅している捜査官リッチー。
対照的な二人だけれど、1本筋が通った男同士という意味で似た存在なのかもしれない。
そして、本当の意味での敵も。

ギャングのボスに上り詰めていくフランクからは、人生の師やビジネスでの着眼点、普段は質素で目立たないけれど、存在感をあらわすべき時にはきっちり決める存在感など本当の大物としての振るまいを学ばせてもらえる。

捜査官のリッチーからは、その正義感を貫き通すが故に孤立していってしまう当時の不条理で腐りきった警察社会と混乱した社会が浮き彫りになって感じられました。

その二人の人生がしだいにつながり交差していき対照的に描かれる映像、そして2大俳優の対峙はみもの。

そして、ギャング映画には欠かせない迫力ある映像を駆り立ててくれる音楽も素晴らしい。

ただストーリー自体は、他のギャング映画でも見たことがあるようなもので、目新しさは特にありませんでした。
しかし、映画のラストで言葉で解説される二人のその後の関係のほうが衝撃的。
実話というのは時として、意外な関係をうむものなんだなと、個人的にはそちらも含めて作品にして欲しかったところ。

2大俳優の渾身の演技と存在感が光る骨太の男の映画でした。




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陰日向に咲く

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陰日向に咲く ★★☆
上映時間 129分   監督:平川雄一朗
製作国 日本     出演:岡田准一
公開情報 東宝       宮崎あおい
初公開年月 2008/01/26 西田敏行
ジャンル ドラマ       伊藤淳史
http://kage-hinata.jp/

内容:★★
俳優:★★★☆
映像:★★
感想:心温まる・キュンとする・元気になる



人とのつながりの意味を感じさせてくれる作品。

原作は読んでいないけど、人の縁、すれ違い、そしてそれぞれの再会をテーマに、群像劇の関わり合いの見せ方は、原作の構成のうまさでしょうか。

岡田准一の男らしい実直さ、宮崎あおいの女性としてのひたむきさ、西田敏行の人間としての奥深さ。
主要メンバーの演技は、どれもそれぞれに味わいがあって、ラストにかけて思わずほろりとさせられる。

ただ群像劇の欠点として、それぞれのキャラクター1人1人の扱いがどうしても薄くなってしまうところ。
俳優陣が熱演をしても、それまでの人生を垣間見ただけでは、なかなか感情移入できない。

崖っぷちアイドルとオタクのストーリーがあまり本編に絡んでこなかったので、もっと本編にうまく絡めるか、ばっさり削除して本編をより濃いものにするともっと深みのある作品になったのでは?
また各キャラクターの話の切り変わりが突然すぎるのも、感情移入の妨げ。

つらい嵐の現状の中、出会った人々がお互いに影響され踏み出していく姿とともに、バトンのように、キャラクターを結ぶ1つの象徴として、幸せの?「黄色い傘」が印象的。

キャラクターの描き方を補う俳優陣の演技が心に響く映画でした。




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俺たちフィギュアスケーター

oretachi

俺たちフィギュアスケーター ★★★
BLADES OF GLORY           
上映時間 93分               監督:ウィル・スペック
製作国 アメリカ             出演:ウィル・フェレル
公開情報 ギャガ・コミュニケーションズ  ジョン・ヘダー
初公開年月 2007/12/22           ウィル・アーネット
ジャンル コメディ
http://oretachi.gyao.jp/

内容:★★★☆
俳優:★★★☆
映像:★★★☆
感想:笑える・楽しい・元気になる



やっぱりおバカ映画はいいね。

とにかくノリが良くサクサクと楽しめる。
フィギュアなので、音楽との相性も抜群!

映画開始早々から、前提となる独特のおバカな世界観がすぐに構築できてしまうのが素敵。

笑いのほうは、もちろんお決まりの下ネタもあるけれど、それ以外にも、乱闘シーンのスローモーションやマスコットキャラの扱いは、声をあげて笑ってしまいました。

ウィル・フェレルは、やっぱりこういう映画が一番だね。
ウィル・フェレルのギラギラした下ネタ的なおバカさと、ジョン・ヘダーのぼーっとしたまぬけなおバカさ、この2つのおバカが味わえるのがいいね。

ナンシー・ケリガンやサーシャ・コーエンらの本物のフィギュアスケーターが出演してるのもウケました。

でも、おバカなシーンだけかと思いきや、意外にまじめにほろりとさせられたりするシーンもあって2度おいしい。
ただラストの衝撃の技は、もう少しインパクトとおバカさがほしかったところ。

とにかく嫌なこと忘れて、元気になれるおバカ映画の王道作品です。




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カンナさん大成功です!

kannna

カンナさん大成功です! ★★☆
200 POUNDS BEAUTY
上映時間 116分 監督: キム・ヨンファ
製作国 韓国  出演: キム・アジュン
公開情報 ワーナー   チュ・ジンモ
初公開年月 2007/12/15 イム・ヒョンシク
ジャンル コメディ/ロマンス
http://wwws.warnerbros.co.jp/200poundsbeauty/

内容:★★
俳優:★★☆
映像:★★
感想:楽しい・笑える・ハッピー


「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」などを抜いて韓国ラブコメ映画史上最大のヒットと聞いていたけど、期待ほどではなかったかなという印象。

変身前のコミカルなシーンや憧れの人を一途に思う気持ちなど前半は引き込まれたけれど、
変身後のストーリーは王道でもう一工夫ほしかったところ。

ヒロインのキム・アジュンは、確かにナチュラルさは感じるけれど、個人的には、映画の中の男達のようにうっとりみとれてしまうほどの綺麗さではないかなぁ。

太っている時の特殊メイクは、「ヘアスプレー」のトラボルタを思い出させるけれど、そこまでのレベルではなく目の部分がちょっと不自然。

どちらかというと、相手役のチュ・ジンモが熱くて男らしくてかっこいい。
周りの整形美人はいいけれど、自分の彼女には整形して欲しくないとか、でも綺麗な人には優しいとか男心は韓国でも変わらないんだねぇと共感してしまうところもありました。
そしてところどころで脇役のお父さんや親友のツボをついてくるコメントがとても印象的。

整形大国の韓国だけに、映画の中でも整形の是非を問うシーンがいろいろでてきたけれど、
最終的には、「ケンチャナヨ」でノリで押し切ってしまうところは、さすが韓国。

この映画を見終わったら、私も整形したいと思う女性がいるんだろうなぁ。
日本ではこの映画に高須クリニックが絡んでるところが思惑ありありでウケました。

人は変わることはできるけれど、過去を捨てて全くの別人にはなれないよね。
秘密を守るため自分のアイデンティティまで捨ててしまうと、自分を見失って自己崩壊してしまう。
整形をしてもそれを受け入れてくれる周囲の環境と、個人の内面や実力があってこそだと思わせてくれました。

人の内面や実力の大切さを描きつつ、それに加えて整形美を前向きにとらえる韓国らしい作品でした。




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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

sweeneytoddvr3

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 ★★★
SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET
上映時間 117分     監督:ティム・バートン
製作国 アメリカ      出演:ジョニー・デップ
公開情報 ワーナー       ヘレナ・ボナム=カーター
初公開年月 2008/01/19    アラン・リックマン
ジャンル サスペンス/犯罪/ミュージカル
http://wwws.warnerbros.co.jp/sweenytodd

内容:★★☆
俳優:★★★
映像:★★★☆
感想:切ない・悲しい・独創的


実にティム・バートンらしい作品。

くら〜い死人のような世界に、血、そして死体。
一歩行きすぎると悪趣味になりそうな感じだけれど、ブラックなコメディ要素もあって、そのバランスが絶妙。
やっぱりこういう世界観が一番彼らしい。

ただ、暗い世界観でもどちらかというと「スリーピー・ホロウ」的な現実路線なので、「ナイトメア〜」や「コープス・ブライド」や「ビートル・ジュース」みたいな特異なクリーチャーなどがでてこないのはちょっと残念。
個人的には、空想の中の原色で描かれる明るいおかしな世界観がもっとみたかったなぁ。

暗い世界感に色濃く一番映えていたのが、吹き出す血の色。
血が苦手な人は、あらかじめ覚悟していったほうがいいかも。
でも、ただ血がドバドバと一様に吹き出すだけでなく、血の吹き出す様も心情を表しているかのように、殺される人によって違った演出されているところが心憎い。
そして、それがまたもの悲しさを誘う。

そして一番の注目と言えば、ジョニー・デップの歌声。
甘い声と唸る声が印象的でしたが、ミュージカル調できれいに歌うというよりは、
役者として演じる延長での歌という感じでした。
歌うことに気をとられてか?ジョニー・デップっぽいキャラクターにひと味追加したさじ加減が
あまりみられなかったのがちょっと残念。

どんな悪役ぶりを魅せてくれるかと期待していたアラン・リックマン。
歌声はいいのだけれど、期待に反して悪役ぶりがちょっと物足りなかったかな。

一番よかったのは、ヘレナ・ボナム=カーター。
スウィーニー・トッドを支え、自分の夢を語る女性としての一面と、暗い世の中で図太く生きていく強さを持ち、夫であるティムの世界を一緒に作りあげていました。

全体的に主要キャラクターよりは、サブキャラクターが本格的に美声で歌い上げてミュージカルっぽさを補っているなぁという印象でした。

ストーリーは、元が舞台なので世界があまり広くなく、ミュージカルなので展開も遅い。
しかし、ラストにかけての復讐劇のもたらす結末はみもの。
特にラストシーンは、とても切なく美しい。
ティム・バートンはこのラストシーンの映像が撮りたくて映画化したんだろうなぁと思わずにいられない。

ラストシーンを描いたポスターがあったら欲しいくらいとても印象に残る結末の作品でした。




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ジェシー・ジェームズの暗殺

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ジェシー・ジェームズの暗殺 ★★★☆ 
THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD
上映時間 160分     監督:アンドリュー・ドミニク
製作国 アメリカ     出演:ブラッド・ピット
公開情報 ワーナー       ケイシー・アフレック
初公開年月 2008/01/12    サム・シェパード
ジャンル ドラマ/西部劇/アクション
http://wwws.warnerbros.co.jp/assassinationofjessejames/

内容:★★★☆
俳優:★★★★
映像:★★★
感想:衝撃的・悲しい・切ない


暗殺された者と暗殺した者を通して、いかにジェシー・ジェームズがアメリカの民衆に愛されていたのかを初めて知ることができた作品。

原題は「THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD」とあるとおり、ジェシー・ジェームズだけではなく、彼を暗殺し卑怯者呼ばわりされたロバート・フォードの物語。

義賊としてすでに有名になるも、長く続く逃亡生活の中、誰も信用できない孤独感、
疲れや苛立ちが終始画面から重くのしかかってきました。
そのジェシー・ジェームズをブラッド・ピットが存在感とカリスマ性を放ち、映画全般に渡っていつ暴発してもおかしくないような緊張感を与えてくれる。
そこには、単なる義賊のヒーローというのではなく、周りがついていけない残酷さや自分を制御できない悲しみなど人間としての一面が色濃くでていました。

個人的には、ジェシーの兄フランク・ジェームズに人格者なところを感じました。
義賊と呼ばれたのは、この兄ありきなんではないかという気も…。

しかし、どちらかというとこの映画の主人公はロバート・フォードかもしれない。

小さな頃からジェームズ兄弟に憧れ、彼に認められたい、彼のようになりたい、そして彼を超えたいと内に強く秘めるロバート・フォードをケイシー・アフレックが妖しく演じてました。
ジェシー・ジェームズを見つめ続ける彼の目がとても印象的。

憧れと現実とのギャップ、いつまでも周りから子供扱いされる悔しさ、その中なんとか野望を叶えようとするも、手に負えなくなり自らをも破滅へと導いてしまうという予想外の現実。
若さゆえの浅はかさや徳のなさ、人間としての器の小ささや身の程というものがあるものだと
つくづく考えさせられてしまいました。

予想外だったのは、ジェシー・ジェームズ暗殺後のロバート・フォードの物語も描かれている点。
栄誉やお金を得たくて暗殺したのに、皮肉にも暗殺されたことによってさらに伝説の人物となったジェシー・ジェームズとの対比が、この2人の違いをより際だたせてくれました。

ただ160分と長いため、じっくりと静かに重く描かれていくので、前半から中盤にかけて少々疲れてしまうところも。

カリスマとしての孤独感や閉塞感、周囲でうごめく野望や憧れ、嫉妬や畏怖の念など、西部劇というよりは、ギャング映画のような男達の骨太の映画でした。




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