俺と100本の映画 ☆ おすすめ映画ランキング

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 200805 俺と100本の映画 ☆ おすすめ映画ランキング  管理人

Author:JUN
俺と100本の映画 ☆
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さよなら。いつかわかること




さよなら。いつかわかること
GRACE IS GONE
上映時間 85分
製作国 アメリカ
公開情報 ザナドゥー
初公開年月 2008/04/26
ジャンル ドラマ/戦争
HP
監督:ジェームズ・C・ストラウス
出演:ジョン・キューザック
シェラン・オキーフ
グレイシー・ベドナルジク
アレッサンドロ・ニヴォラ




総合:★★★
内容:★★★ 俳優:★★★☆ 映像:★★☆
感想:切ない・心温まる・泣ける


父娘の深い思いが感じられるロードムービー.

物語は,妻の突然の戦死の訃報に,それを受け入れ告げることもできず,二人の娘を連れて旅に出る,主人公の心の葛藤を静かに描いていく.

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妻の戦死,そして残された夫と二人の娘という家庭の状況は,意外と珍しいかもしれない.

悲しみは変わらないけれど,乗り越えたり表現する術は,男性のほうが意外と不器用ではないだろうか.
まして,相手が二人の娘という状況であれば.

父親役のジョン・キューザックは,体重を増やし,さえない印象.
自分が出征できなかったコンプレックスや,妻の訃報に打ちのめされる姿,深い悲しみにもがく様,
留守電に残された妻の声に語りかける姿など,
苦しみもがきながらも進まざるをえない主人公の内面が痛々しく表現されていました.

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姉ハイディ役のシェラン・オキーフは,大人びた綺麗な少女の雰囲気.
母親が不在の中で,妹の面倒や父親の手伝いでしっかりせざるを得なかったのだろうと思わせる.

それに対し,妹ドーンはまだまだ子供のやんちゃ盛り.
ドーンを演じるグレイシー・ベドナルジクの演技が,とても自然.
彼女の明るい姿を見るにつれ,母親の死を告げなければならない父親の気持ちを察せずにはいられない.

物語の展開はシンプルだが,家族の様々な思いが繊細に綴られている.
夫の娘達への思い,長女の父親や妹への気遣い,そして亡き妻・母親への思い.
旅を通して,気持ちの整理や父親と娘の距離感が変化していくところは,ロードムービーの王道といえる.

その静かな旅の中で流れるクリント・イーストウッドの音楽も,心の微妙な変化を演出してくれる.

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演技とは思えない妹ドーンの泣き顔に,思わずうるうるさせられてしまう.
けれど,悲しいだけではなく,妻や母親の死を受け止め,父娘の絆も深まり,
これから彼女の分まで生きていくという強い思いが伝わってきました.

この家族はきっと大丈夫だろうと思わせてくれる作品でした.

スパイダーウィックの謎

スパイダーウィックの謎
THE SPIDERWICK CHRONICLES
上映時間 96分
製作国 アメリカ
公開情報 パラマウント
初公開年月 2008/04/26
ジャンル アドベンチャー/ファミリー/ファンタジー
HP
監督:マーク・ウォーターズ
出演:フレディ・ハイモア
サラ・ボルジャー
デヴィッド・ストラザーン




総合:★★★☆
内容:★★★☆ 俳優:★★★☆ 映像:★★★★
感想:楽しい・独創的・心温まる


妖精たちの魅力に心奪われる作品.

物語は,大叔父アーサー・スパイダーウィックによる妖精たちの研究内容が記された本を巡って,兄弟と妖精達の攻防が繰り広げられる.

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主人公は,物静かなサイモンと活発なジャレッドの双子の兄弟とその姉マロリー.
その双子の兄弟を1人2役で演じるフレディ・ハイモア.
「ネバーランド」や「チャーリーとチョコレート工場」など,過去の作品では,比較的おとなしくてよい子を演じていただけに,ジャレッド役は新鮮.
後半では二役であることを忘れてしまうくらい,見事に演じきっていました.

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物語の序盤,ジャレッドが屋根裏部屋で封印された本を見つけるくだりは,「グーニーズ」でマイキーが地図を見つけたかのようで,今後の展開にワクワクさせられる.

登場する妖精たちは,ゴブリン,オーガ,トロール,ブラウニー,スプライトなど,まさしくファンタジーの世界.
中でもゴブリンは,カエルっぽく醜くも,どこか愛嬌があり憎めない存在.「グレムリン」を彷彿とさせる.
一方で醜いゴブリン達とは対照的に,花の間から現れる妖精スプライトの映像は,本当に心奪われるくらい美しい.
エンドロールまで美しい映像を楽しめました.

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妖精本を巡っての戦いも,とってもユニーク.
ゴブリンに対する武器がケチャップや塩だったりと,内容的にも映像的にも新鮮.

そして,なんといっても大ボスのオーガの倒し方が最高!
最後までおとぎ話のような結末で好感がもてました.

また,破綻仕掛けている夫婦や親子のエピソード,大叔父アーサーとその娘ルシンダとのエピソードなど,ファンタジーの奥にある家族間のテーマにもほろりとさせられる.

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ここ最近「ロード・オブ・ザ・リング」や「ナルニア」をはじめ,壮大なファンタジーが多い.
本作は,これらほど壮大ではないけれど,いい意味でこじまりとした80年代のファンタジーを彷彿とさせる.

新鮮であり懐かしくもあり,とても愛着のある作品でした.

紀元前1万年



紀元前1万年
10,000 B.C.
上映時間 109分
製作国 アメリカ/ニュージーランド
公開情報 ワーナー
初公開年月 2008/04/26
ジャンル SF/アドベンチャー
HP
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:スティーヴン・ストレイト
   カミーラ・ベル
   クリフ・カーティス




総合:★☆
内容:★ 俳優:★★ 映像:★★☆
感想:独創的・興奮する・ロマン


紀元前1万年の動物たちを楽しめる映画.

物語は,村を襲われ仲間や愛する者を奪われた主人公デレーによる救出劇が描かれる.

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まずなんといっても,マンモス.
その毛並みから迫り来る姿まで,本物のように迫力が感じられる.
ただCGで何でもできてしまう昨今,「ジュラシック・パーク」で初めて恐竜の群れを見たときほどの感動はなかった.
それでもマンモス狩りの様子は,新鮮でなかなかのみもの.
その他にもサーベルタイガーや巨大な鳥など,行く手には紀元前1万年の動物たちが映像として蘇る.

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ストーリーは,序盤から中盤までは,他の部族の急襲,予言,支配する部族の登場やピラミッドなど「アポカリプト」と似た点が多い.
ただ「アポカリプト」のほうが現実っぽく生々しかった.
監督がローランド・エメリッヒだけに,救出劇,民衆の解放をメインに,より単純でエンターテイメント性が高い.


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主人公デレーを演じるスティーヴン・ストレイト.
なにかもの悲しくてはかなげで,愛する者を奪われ,予言された人物にふさわしいか迷う主人公の姿にぴったり.

エバレット役のカミーラ・ベルは,その目と眉毛が特徴的.
原始的な格好をしていても,紅一点美しく光っていました.

個人的には,エバレットをなんとか手に入れようとする敵隊長の存在感が印象的.

ピラミッドを中心とした広角での都市の映像は,荘厳さを感じさせる.
さらにマンモスの暴走などの戦いの様子は,ラストを盛り上げるにふさわしかった.
けれど「ロード・オブ・ザ・リング」の象ムマキルの映像を思い出させる.

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最後にかけての突然の決着,とってつけたようなハッピーエンド,映画としてはなんだか物足りない.
単に支配者をいきなり倒すだけでなく,そこでもう一つ何かやりとりがほしかった.
また父親との関係も,期待していたよりあっさり片付けられてしまって残念.

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迫力あるマンモス映像は楽しめるけれど,もう少し内容にも時間とお金をかけてほしかったです.

大いなる陰謀




大いなる陰謀
LIONS FOR LAMBS
上映時間 92分
製作国 アメリカ
公開情報 FOX
初公開年月 2008/04/18
ジャンル ドラマ
HP
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォード
メリル・ストリープ
トム・クルーズ
マイケル・ペーニャ




総合:★★
内容:★★ 俳優:★★ 映像:★★
感想:知的・悲しい


ロバートレッドフォードが,監督として,役者として,戦争について様々な角度から語る映画.

物語は,政治,マスメディア,軍隊,教育,この4つの現場にいる主人公達の1日を通して描かれる.

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政治の現場からは,トム・クルーズ演じるアーヴィング上院議員.
演説やインタビューに熱弁をふるう姿は,「マグノリア」での姿を思い出させる.
しかし,過去の政治の過ちを認めてはいるものの,最後まで自信満々で突き進む姿のみ.
裏にある自信の根拠や苦悩や迷いなど人間的な側面は描かれていないのが残念.

マスメディアの現場からは,ジャーナリストを演じるメリル・ストリープ.
自分が行ってきたこと,そしてこれから行うことが正しいことなのか?
議員の熱弁を冷静に受けとめながらも,苦悩する姿が印象的.

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戦争の現場から,マイケル・ペーニャとデレク・ルーク演じるアーネストとアリアン.
国の未来を思い,現場で理想に燃える若者の姿が,痛々しく,矛盾を感じずにはいられない.

そして,教育の現場からは,マレー教授を演じるロバート・レッドフォード.
おそらく彼自身がこの映画で最も言いたいことなのだろう.

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かつての生徒アーネストとアリアンの話を中心に,世の中にあきらめを感じていた生徒を導こうとする.
政治,マスメディアを批判しつつも,一番の罪人は,無関心で何も考えず行動せず,ただ踊らされている我々である.
と,さながら観客もお説教されているかのようである.

ただ短時間の面談で,今時の生徒を導けるのかについては疑問が残る.

それは映画全体にも言えること.
92分という短い時間で,これら4つを扱おうとすると,どうしても内容が希薄になってしまう.

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言いたいことが多いせいか,言葉での説明も多く,
せっかくの豪華俳優の共演もキャラクターに深みがなく不完全燃焼ぎみ.

戦争に対して無関心な我々の責任についての問題提起はよかったが,
世の中を啓蒙するには,いまひとつ物足りなさを感じました.

スルース



スルース
SLEUTH
上映時間 89分
製作国 アメリカ
公開情報 ハピネット
初公開年月 2008/03/08
ジャンル ミステリー/サスペンス/ドラマ
HP
監督:ケネス・ブラナー
出演:マイケル・ケイン
ジュード・ロウ




総合:★★
内容:★★☆ 俳優:★★★ 映像:★☆
感想:知的・独創的・衝撃的


二人の俳優の演技が存分に楽しめる作品.

物語は,一人の女性を巡って、夫である推理作家の家に,浮気相手の若い男が訪ねてくるところから始まる.
そして,お互いのプライドや意地,嫉妬とともに,頭脳戦,心理戦を繰り広げる.

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推理作家アンドリュー・ワイク役にマイケル・ケイン,
そして浮気相手の男マイロ・ティンドル役にジュード・ロウ.

ここのところ,付き添い役や色男役などが多く,
激しい演技をみせていない二人のぶつかり合う演技が見られるのは,ファンならずとも見逃せない.

冒頭から,ちょっとした会話にも関わらず,何か皮肉めいた裏のある言葉のやりとり.
洗練されたデザインのオブジェのある無機質な空間が,より二人の演技や感情を浮き上がらせる.

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ジュード・ロウの色男ぶりは,女性相手でなくてもとてもセクシー.
そして,単なる恋愛映画ではみられない,熱いキレた演技を見せてくれる.
しかし,第二幕での演技をはじめ,少々やりすぎで不自然.

対するマイケル・ケイン.
相手を翻弄し,手玉にとる姿は,余裕のある演技がなせる技.
後半でのあられもない姿でのギャップも楽しませてくれる.

本作は,「探偵スルース」のリメイク.
オリジナルでは,マイケル・ケインがマイロ・ティンドル役を演じている.
オリジナルを見たところ,残念ながらはるかにオリジナルのほうが面白かった.

屋敷の機械仕掛けの人形たちが醸し出すワイクの異常性,
マイケル・ケインのマイロの知的さと狂気さを使い分けた余裕ある演技.

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そして,決定的に違うのはラストまでの展開.

オリジナルでは,ゲームに勝ちたいという執念に
とらわれてしまった2人の男の狂気が,映画のラストまで余韻を残すほど感じられた.

本作品では,トランス状態のような精神状態の中,何を意図していたのか分かりづらく
唐突に終わってしまう.

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ジュード・ロウ,マイケル・ケインの演技は楽しめるものの,
ラストまでの展開がオリジナルには及ばない作品でした.

つぐない



つぐない
ATONEMENT
上映時間 123分
製作国 イギリス
公開情報 東宝東和
初公開年月 2008/04/12
ジャンル ドラマ/戦争/ロマンス
HP
監督: ジョー・ライト
出演: キーラ・ナイトレイ
    ジェームズ・マカヴォイ
    シアーシャ・ローナン
    ロモーラ・ガライ




総合:★★★★
内容:★★★★ 俳優:★★★★ 映像:★★★★
感想:切ない・悲しい・衝撃的


一言の重みを感じさせられる作品。


物語は、セシーリアとブライオニーのタリス姉妹、そして使用人の息子ロビーの三人で進む。

映画の前半での、ブライオニーの視点から描かれる世界と、セシーリアとロビーの視点から描かれる世界。
同じ出来事でもとらえ方によって意味が異なることを、美しくそして妖しくみせてくれる。

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多感な少女のみる世界というのは、「パンズ・ラビリンス」や「テラビシアにかける橋」同様に、彼女たちの色眼鏡を通して、彼女達の空想の世界や独自の世界観に変換されるのかもしれない。

その世界の中では、自分自身は自由に創造できる神であり、すべてを知っているかのような錯覚をもたらしてしまう。
そして現実との錯綜がもたらす物語の展開は、純粋であるがゆえに美しくもあり、時に残酷な結果や悲劇を招く。


その少女時代のブライオニーを演じるシアーシャ・ローナン。
淡い恋心をよせる様や衝撃をうける様がすごく自然で無垢な印象。
悪気のない無邪気さが伝わってきました。

セシーリアを演じるキーラ・ナイトレイ。
彼女はとても美しいけれど、比較的今回は彼女の怒りや悲しみが全面に押し出され、
端正な顔立ちの綺麗さに、より鋭さがましてちょっと怖い印象でした。

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最も印象的だったのは、ジェームズ・マカヴォイ。
「ペネロピ」の柔らかい雰囲気とは全く異なる筋の通った男らしさが全面に出ていました。
髪型のせいもあるかもしれませんが、ここまで役柄によって雰囲気が変わるのは、さすが役者だなと思わせてくれる。
これからの活躍も楽しみです。


美しい映像とともに始まる悲劇の前半とはうってかわって、みていてつらかったのが中盤から終盤にかけての戦争シーン。

戦争によってさらに引き裂かれてしまった二人の悲しみやつらさ、そして自分が行ったことの重大さに気づき償おうとするも、
戦争時において何をしても償えないブライオニーの苦しみが描かれていました。

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戦時下のダンケルク海岸の5分半の長回しの映像は、インパクトがあるものの、
主人公達の想いよりも、戦時下の混沌さや無情さが全面にでている印象を受けました。


このままつらい戦争シーンが続くのかと思いきや、衝撃的なラストが素晴らしい。
画面からあふれ出るブライオニーの苦しみや想いには、胸を打たれました。

彼女なりにとった行動がはたして「つぐない」になったのか?
セシーリアとロビーの2人の姿をみながら、見終わってからもいろいろと考えさせられます。

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冒頭から全編にわたって、タイプライターの音を効果的につかったBGMがとても印象的。
そして見終わってみると、このBGMが意味するところが意外と大きかったことに、思わず感心させられました。


純粋で美しく悲しい映画でした。

フィクサー


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フィクサー
MICHAEL CLAYTON
上映時間 120分
製作国 アメリカ
公開情報 ムービーアイ
初公開年月 2008/04/12
ジャンル サスペンス/犯罪/ミステリー
HP
監督:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー
   トム・ウィルキンソン
   ティルダ・スウィントン
   シドニー・ポラック




総合:★★★☆
内容:★★★ 俳優:★★★★ 映像:★★☆
感想:知的 ・切ない・衝撃的


真実と正義に苦しむ人間を描いた作品。


邦題の「フィクサー」という印象から、裏世界で華々しく活躍する主人公の物語を想像してしまうが、原題は、「MICHAEL CLAYTON」。
自分の今後の人生に不安を抱えるごく普通の人間として描かれている。

いつものおしゃれで余裕あるかっこいいジョージ・クルーニーとはひと味違った、人生に迷い、借金で追い詰められた弱々しい雰囲気は意外に新鮮。

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個人的に最もよかったのは、アーサー役のトム・ウィルキンソン。
良心の呵責に目覚め、精神を病みながらも、自分の正しいと思うことに突き進む役柄をエネルギッシュに好演。
迷いの底にいるマイケルを導く上で大きなきっかけを与えるに値する存在感のある演技でした。

それに対するカレン役のティルダ・スウィントン。
人前での毅然とした態度と、その裏にある努力、勤勉さや必死さが印象的。
そして、追い詰められての決断にいたる彼女の状況にも、様々な重圧の中ぎりぎりの状態で張り詰めた糸が切れてしまったような人間としてのもろさにも同情してしまう。
そうしたティルダ・スウィントンの持つ気丈さとその裏で苦しむ演技がとても生々しく伝わってきました。

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登場する人物たちは、完全悪でも完全善でもなく、それぞれの状況や立場において、各々の思惑があり、リアルな人間として描かれている点がとても評価できる。
そして、それを演じきる俳優陣がよりキャラクターに深みを与えてくれる。


ただストーリー展開は、時間軸をかえて、観客の好奇心を持たせているものの、内容そのものは正統派でじっくり描かれている一方で、裏をかえせばとても地味な作品。

物語のキーとなる「王国と征服」というマイケルの息子が夢中になるファンタジー小説とのつながりもいまいちすっきりと消化できませんでした。

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しかし、映画後半の主人公が中心的に巻き込まれるあたりから、面白くなってくる。
ぶち切れたマイケルは、ここにきてようやくジョージ・クルーニーの本領発揮といったところ。

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そして、ラストにかけての緊迫の展開。
すべてが終わった後のジョージ・クルーニーのなんとも言い難い微妙な表情が、マイケルの心情や行ったことの意味、今後の人生など様々なことを想像せずにはいられない。


内容は地味なものの、人間がしっかり描かれた作品でした。

クローバーフィールド/HAKAISHA




クローバーフィールド/HAKAISHA
CLOVERFIELD
上映時間 85分
製作国 アメリカ
公開情報 パラマウント
初公開年月 2008/04/05
ジャンル SF/パニック
HP
監督:マット・リーヴス
出演:マイケル・スタール=デヴィッド
   マイク・ヴォーゲル
   オデット・ユーストマン




総合:★★★☆
内容:★★☆ 俳優:★★★ 映像:★★★★
感想:独創的・怖い・衝撃的


臨場感あふれるアトラクションのような映画。

冒頭の主人公ロブの送迎会での様子やコメント撮りは、個人的には、いつもパーティなどで撮影担当していただけに、カメラ越しの映像はなんだかなじみ深い。

そして、予告編でもおなじみの「自由の女神」の頭が飛んでくる映像。
「エンパイア・ステート・ビル」や「東京タワー」よりも、インパクトがあってこれからの展開を期待させてくれる。

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お金をかけた映像をこれでもか!と見せつける映画は多いけれど、この作品ではそれをあえてハンディカメラの映像でインパクトある映像を徐々に小出し。
それも地上からの映像一辺倒だけでなく、様々な角度から徐々に全体像がわかるように工夫もされていて、観客としては、もっとはっきり観せて!状態で、最初から最後まで映像に惹きつけられる。

臨場感という意味では、阪神大震災でも経験したけれど、その現場にいる当事者というのは、
意外と情報不足で全体像が見えず、何が起こっていてどうなっているかわからないもの。
そういう状況が映像を通してリアルに伝わってきました。


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ハンディカメラでの映像というと、やはり思い出すのが「ブレア・ウィッチ・プロジェクト(BWP)」。

最後まで謎のまま心理的な怖さが続いた「BWP」に対して、本作品では、何か分からない心理的な恐怖から、その全体像が明らかになっていく中で物理的な恐怖やアトラクション的な要素に変わっていくところが大きな違い。

その映像は、画面揺れが激しく素人さを演出している一方で、みせるべきところはしっかりと効果的な演出がされていて、考え抜かれたプロっぽさが伝わってくる。

といっても映像の揺れは激しいので、後ろの席で観るのことをおすすめします。


そして、この映画の最も評価できる点は、テープの上書きというアイデア。
1本のビデオテープにつまった2つの日の出来事。
この手法によって、キャラクターの人間関係やストーリー性やラストへの展開もより深みあるものになっていました。

ストーリーや登場人物はというと、画面に映るキャラクターは美男美女だったり、
主人公が熱血漢だったり、お決まりなパターンであったりと、どちらかというと凄く映画的。

個人的には、画面にあんまり登場してなかったけど、空気を読まずにひたすら撮影し続ける
ハッドがお気に入りでした。


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この作品では映画そのものだけでなく、映画の世界の日系企業のサイトがあったり、マンガだったりと、メディアミックスされているのも特徴の1つ。

「BWP」もそうだったように、こういう映画はネットなどの盛り上がりや謎解きなどの過程を
一緒にリアルタイムで楽しむのが1つの醍醐味ではないかと思います。

でもマンガを読んでみたけれど、残念ながら内容ははっきりいってチープでした。
やはり特異な映像表現があってこそなのかなと改めて感じました。

続編の話も聞かれるけれど、謎を明らかにしすぎず、謎が謎を呼ぶくらいにして、今回以上の映像表現に期待したいところです。

Youtube的ならいろんな人の視点からの映像とかでも面白そう。
日本ならニコニコ動画的映画とか?でも、みづらいね。

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冗談はさておき、アイデアは既存のものの組み合わせとよくいうけれど、その言葉通り、組み合わせ次第で、既存の内容もここまで面白くできるものなのかと改めて感心しました。

配給はパラマウントだけど、USJのアトラクションにでもしてもらいたい作品でした。

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